さんぽみち

まちあるきの雑記帳

田辺の模擬原爆

大阪市東住吉区田辺は、かつて太平洋戦争の戦時中「模擬原爆」が落とされた地でもあります。

1945年7月26日午前9時26分、大阪市東住吉区田辺本町(現在の大阪市東住吉区田辺2-3付近)、田辺小学校の北側に、大型爆弾が投下されました。

住民ら7人が犠牲になり、重軽傷者や家屋被害も多数出たとのことです。

のちにその大型爆弾は、原爆投下のシミュレーションや実地訓練として、原爆と同じサイズ・重量で設計され投下された「模擬原爆」であったことが、1991年に公開された米軍の資料でわかりました。約5トンの重さで「パンプキン」と呼ばれました。

米軍は日本各地に「模擬原爆」を投下し、そのうちのひとつが田辺に落下した模擬原爆です。

後年、模擬原爆投下地点近くに、「模擬原子爆弾投下跡地之碑」が建立されました。建立当初は、碑は爆心地により近い場所にあったものの、碑のあった場所付近で建物の工事が始まったことにより、2019年に碑は近所の「恩楽寺」の門前に移設されています。

現地では毎年7月26日の午前、投下時間にあわせて追悼式がおこなわれます。

田辺「模擬原爆投下の地」の碑

田辺「模擬原爆投下の地」の碑